かなり前ですが
筒井康隆さんの作品。筒井さんはいっぱい作品を出しておりまして、読みやすいのものから、難しいものまでいろいろありと思います。
この作品は、読みやすいと感じています。
内容は
ラゴスという主人公が、旅をする物語です。架空の世界なので、見慣れた所は出てきません。それに、SFらしい設定もいっぱいあります。
しかし、基本は「旅」をするということです。ラゴスは目的があって旅をするのですが、その先々でいろいろなことが起こります。囚われたり、王様になったり。
あえて感想を述べたい理由
私はこの本を読んで、ものすごく感動したのですね。男、というか人間の行きつくところ。ラゴスは旅を終えて、元居た土地に帰るのですが、また旅をしようと決めます。理由は懐かしきある人を探すため。
ラゴスの背中を見ながら、ある男が叫ぶのですが、それはこの物語のすべてであり、人ってこうなのかな、と思えたのです。
長く、苦しくもあり、楽しくもある「旅」も収束に向かいつつある中、それでも、私たちは立ち上がって、目的をもってさらに「旅」を続ける……。
それって人生そのものなのかな、って思いました。
筒井康隆さんの本は結構読んでいます。SFですけど、中身は濃いです。
コメント