それは、大学生の時でした。当時、スターレットを乗っていて、なかなかたくましい走りをしてくれる奴でした。あるとき、やや混んでいた二車線の右側からチョコマカとした動きで抜かしていく車がありました。一晩中遊んだ帰りで眠くてしょうがなかったのですが、何とか意識を保ちつつ走っていたとき、その車に遭遇しました。一瞬、その小ささと眠気から「ミニカーが走ってんのか?」と思ったくらいでした。その車が細かく、少しでも切り違えたら飛んでいきそうな加速で僕の車を抜き去りました。後ろ姿を追っていました。
そして、私は思いました。「格好いい!」
それが、ミニクーパーでした。手に入れたのはそれから十数年後でした。私の欲しかったクーパーは旧式。その時はすでにBMWから新型のタイプが出回っている時でした。つまり旧タイプは全て中古で新しくても10年以上。それでも何とかしてほしかった私は知り合いの中古車屋さんにお願いして、探してもらいました。見つかったのが、最終型、1997年あたりの、オートマ車でした。「程度は抜群にいいよ!」ということで、乗ってみましたが、なんとも心もとない乗り心地。地面に近いので、でこぼこがもろに体に伝わります。しかし、それがたまらなく素敵でしたね。あと、アイドリングの激しさ。止まっていられないのでしょうね。1300CCのエンジンとあの小さなボディでは、パワーが余っている感じでした。走行音も結構すごくて、音楽聞きながら走るのが好きなので、首元にコンパクトなスピーカーを設置して、コード引っ張って聞いてました。そこまでするか、という感じでしたが、本当にかわいいやつでした。いろいろと噂は聞いていて、エアコン入れるとバッテリーがすぐに上がる、だんだんと天井が下がってくる、などありました。なので、天井は仕方がないのですが、バッテリーは怖いので、夏でも冬でもエアコンは一切入れていませんでした。しかし、だんだんとブレーキが弱くなって、中古車屋さんに直してもらったのですが、完全には直らず。最終的に下取りとして、サヨナラしました。三年ほどでした。
今書くにあたって調べたのですが、私、ずっと「メイフィア」かと思ってたのですが、「クーパー」でしたね。本革のシートが好きでした。
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