30年くらい前のユニクロの話

こんにちは。

おおよそ30年くらい前の話になります。
当時住んでいたところの近くにユニクロがありました。
今のような自己ブランド(プライベートブランド)はほとんどなくて、ジーンズもリーとかエドウインとかあったような覚えがあります。

今回書きたいのは店員さんの話です。

私の住んでいたアパートは、目の前にゴルフの打ちっぱなしがあって、裏手は畑でした。というかほぼ畑。駅から20分以上の場所で、家賃も安かったので仕方ないと言えばその通りの立地でした。外に出ると間違いなく畑道を通る設定。大きくジャンプすれば舗装された歩道に乗れますが、まあ、毎日そんなこともしてられず、土に感触を確かめながら会社に行ってました。

ある休みの夕方、ジーパンでも見に行こうと思ってユニクロに向かいました。その日は雨上がり直後でした。私は目の前のぬかるんだ道をべちゃべちゃと進み徒歩五分ほどのユニクロへ。

店内を見回ってると後ろから声がしました。男性店員の声です。

「まじかよ、なんかきたねえ奴がいるみたいだよ」

振り向くと床の土汚れを指さしながら明らかに怒っていました。

ああ、俺だ……。
私は慌てて隠れます。靴の裏はまだしっかりと泥がついていて、たどるとこっちまでたどりく勢いです。

「え、ええ。そうですねえ」

男性店員の話をそばで受けていた女性店員はそういうと一旦その場を離れ、すぐに現れました。手にはモップを持ってました。

そして、そのモップで私の付けた泥の足跡をこすりながら、言ったのですね。

「足元の悪い中、来てくれてありがたいですねえ」

と。

三十年近く前の話なので完璧にセリフが一致しているとは限りませんが、その女性店員は来てくれてありがたい、という旨の言葉を発したのですね。

私はその言葉を聞いて、申し訳ないやら、有難いやらで、急いで帰りました。これ以上汚すと悪いので。

おそらく二人ともバイトだったと思います。
でも、働く姿勢って大事だな、と思いました。

そうなんですよね。
年取ると、なんかネガティブな側面ばかり見えてしまうようで、辛かったりします。
そんななか、ふと思い出した出来事でした。

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