いじわるはみっともない

朝の電車にて。

そこそこ混んでいる電車、私は座っていた。目の前に立ったおっさん。薄禿のちびで小太りでおそらく60歳前。
電車はさらに込み始めた。つり革のところには人の入り込める隙間はない。
あるおばさんがおっさんの後ろを通ろうとした。おっさんの右手にぶら下げているカバンにおばさんの足が、最初に当たったんだよね。
その瞬間、おっさんは急に下がり、自分の後ろをおばさんが通るのをブロックしたんだ。
おばさんは驚いてたけど、それ以上奥に行くこともできず、一人手前の、人と人の間でストップしてた。
それからもしばらく混むのだけど、そのおっさんはブロックしたまま。つまり座っている私の前に妙な空間ができた。人が通れそうなくらいの空間。

おっさんは何食わぬ顔でブロックし続けた。そのおっさんがいなければその向こう側へ行けるのにおっさんのせいで行けず、詰まったままだった。

私はその辺で興味を失い、眼を閉じた。そして思ったんだよね。

「いじわるって、傍から見るとみっともないんだな」って。

私は心の底から、気をつけようと思った。
いい年して、恥ずかしいと思った。

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