ブラックスワンは癖があるけど、読むべきです。

「黒い白鳥」?

 映画の「ブラックスワン」は見ではないので何とも言えませんが、ここに出てくるブラックスワンとは意味合いが違うでしょうね。
 ある時突然今までにないものが出てきて、通常の概念を飛ばしてしまうような感じですね。一言でいうと、不確定性を語った本です。
 
 英語では「Black Swan」ですが、日本語訳ですと、「黒い白鳥」となって、矛盾点がより明確になっていて好きです。このほかにいろいろな例を出してくてくれます。例えばずっと餌をもらい続けているh七面鳥は、明日突然その連続性が途絶えて、食われてしまうなんて微塵も考えていない、とか。

 書いている方が投資の方なので、そちらに絡めた話がメインです。

「バーベル戦略」

 彼が提案している「バーベル戦略」は、ポートフォリオの85~90%を安全投資に、残りをハイリスクハイリターンというものです。安全策を持ちつつ、危険領域に踏み出す。失敗しても大丈夫! みたいな感じで、正社員の副業のような感じでしょうか? 
 この本で語られているのは副業より断然リスクは高いものですが。 

癖があります、かなり。

 この本が万人向けかというとそうでもなく、書き方に癖があって、読みにくいと感じる方も多いと思います。
 ややべらんめえっぽいです。私は、なかなか慣れず、下巻に入って安定してきたなという感じでした。
 また、こうしろどうしろという自己啓発的なことを期待して読むと外れると思います。このような現象を追求し、読んだ方々が取り入れられるところを望んだ形で取り入れる、という風に感じます。 

私の好きな一節は下記のところです。 

NNT ( つまり私) : 公平なコインがあると思ってくれ。つまり投げたときに表が出る確率も裏が出る確率も同じだ。さて、九九回投げたら全部表だった。次に投げたら裏が出る確率はどれだけだろう?
ドクタージョン : くだらない質問だもちろん 半分だ。オッズは五○ % で、一 回結果は互いに独立だって仮定したよね。
NNT : トニー、君はどう思う?
デブのトニー: もちろん一% もないよ。
NNT : どうして? 公平なコインだって言ったでしょ。つまり確率は毎回五〇% ってことだよ。
デブのトニー: てめえいい加減なこと言うな。さもなきゃ「ごじゅっぱあせんと」商売に金出すようなカモだろ。コインは細工がしてあんだよ。公平なんてありえねえっちゅーんだ。( 翻訳: 九九回投げて九九回表が出たコインが公平だというあなたの仮定は、間違っている可能性が高いです。)
NNT : でもドクタージョン は五○ % だって言ってるよ。
デブのトニー: ( 私の耳にささやく) 銀行にいたころ、こういうオタクがわんさかいたよ。こいつらトロすぎる。ちょろいぜ。簡単にだませるぞ。

ナシーム・ニコラス・タレブ著 望月 衛訳(2009年)『ブラックスワン』 ダイヤモンド社 上巻 226-227

 意気だな、と思ってしまいます。 

 上下巻あるのですが、はまれば一気です。合わない人は三分の一でやめてもいいと思います。  

 この本は「ファストアンドスロー」で知って、図書館で借りて読みました。返した後、手元にあっても良い本だなと思い、上下巻購入し本棚にあります。

 そのような本ばかりになってほしいと思いながらいろんな本を読んでます。

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