やられた方は覚えている

もう一か月前くらいのこと。
久々に会社の飲み会に参加した。
よく使っているイタリアンの店とのことだった。その時は総勢15人ほどで、私は端に座った。

私はあまり飲めないので、一杯目ビールを飲んだ後に、ノンアルコールビールを注文した。
しかし、十分以上待っても一向に持ってこない。それで店員に聞いてみたら、
「もうお持ちしましたよ」
とのこと。そこで、皆に聞いてみると、
「こっちで飲んでる」
という返答。あまりにも適当なので、やや不満げな表情とともに店員にもう一度注文した。

不快だな、と思った。というのも、ノンアルコールビールを飲む人なんて、その中の、早めの時間帯では私くらいなのに。まあ、嫌がらせもあったのだろうね……。

という事で、明けの月曜日。おそらく当事者な人は朝一で
「おはよー! 電車が混んじゃって……。私ちょっと笑えない事しちゃって……」
とあっけらかんに私に話しかけてくる。
私は「そうなんですか!大変でしたね!」と笑顔で返す……。

やった方って、基本的忘れて、やられた方は覚えている。
それは本当によく言われることで、まぎれもない事実だ。
虐められる、虐める、は典型なパターン。

しかしながら、やった方って忘れるのかしら、と思うこともあるが、何でしょう、印象が薄い、記憶が薄い。そんな感じがする。重きを置けない、という感じ。それは潜在的な心のどこかで、「覚えていてはいけない!」って、自己防衛的な所もあるのかもしれない。でもね、そういった事も、覚えていると思うよ、やった方も。心の隅に獲れない汚れとして溜まっていくような……。そして、いつかはその身を滅ぼしていく。

そうでないと、やられた方は、逃げ場がない。やられた方は、精神にすぐさま影響を与えるから、とにかく逃げなくてはならないと思う。

もう、飲み会は、いいかな……。

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