邪悪な眼

あまり書きたくはないけど。
書いてしまうと残るからね。
でも、ある意味、私の分岐点になると思う事柄だったので、将来「ああ、この時から変われたのね」と、いい意味になればと思い、残すことにする。

状況はというと、これまた思い出してしまうので、書きたくないが、仕方ないです。

金曜の会社からの帰り道。細い歩道を通る。細いといっても2人並んで歩ける幅で、店も隣接しているので、三人は通れる幅も確保できる場所がある道。
そこは基本、左側通行で、ぶつからないようにすれ違っている。
ときどきスマホ見てて前を見てない人や、横並びで話に夢中な人、遅い人を抜かすために一旦横にそれる人などが、逆側に現れる。そういう人が来た場合、店舗側に避けたり、立ち止まったりして難を凌ぐ。

ただ、その人は違った。明らかに逆側を歩いている。しっかり前を向いて。私はこのままではぶつかると思った。その人、20代後半の背が高く、髪の長い女性だったが、まったく避ける気配がない。横は開いているので、左によれば通常の流れになるのに、寄らない。あえて、歩いている。
私はぶつかるのが嫌でギリギリて店舗側に避けた。
さすがに「なんだよ、こいつ」と思った。
すれ違いざま、その人の眼を見た。

その人の眼を見た後、私は吐き気がした。歩きながら口にでた。
「やばいやばいやばいやばいやばいやばい……」
私は、見てはいけないものを見た、と思った。
吐き気が強くなる。私は「助けて助けて助けて」と心の中で連呼する。
立ち止まって、呼吸を整える。だんだんと落ち着いてきた。
そして、本当に急いでその場を離れた。

なんだろう、あの眼。怖い。どんな眼かを表現したいと考えたがほとんど的を得なかった。
ただ、一言言い表せる言葉があった。
「邪悪」
それ、そのものだ。あの女性にどんな人生があって、ああいった眼を持ってしまったかわからないが、かかわりを持ったらもう、ダメだろう……。

こう書いていて、少し思い出した今も、不快感がつのる。

それから電車に乗り、なんであんな眼に出会ってしまったのかを考えた。
そして、思い当たることが浮かんだ。
「私自身が呼び寄せたのではないか」と。

周りには、嫌な人がわんさかいる。電車で空いているのにつめないで立っている人や、スマホに夢中で突進してくる人や、「箸下さい」というと「えっ」といって嫌な顔をするおばさん店員とか、気になりだすと止まらないくらい。

でも、でも、こう考えたんですよね。ある意味、自分が呼び寄せているのではないかって。自分の邪気が、そういった邪気をまとう人達を呼び寄せているのではないかって。

なので、そういった人を忌み嫌うのではなく、まず自分から邪気を追い払うことをしなくてはいけないのではないかって。
そう思ったらの、理にかなっているようですっきりしたのですね。

なので、まず自分の邪気を払うように努め、邪気がありそうな人から逃げるようにしたいと思います。

実際、少し楽になりました。

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