今朝のこと。
電車を待つ列に並ぶと、隣の列のあたりに寄りかかりながら座っている若者がいた。フードをかぶり、目はスマホをで足もやや投げ出し、一言でいうと、だらしがなかった。
前に空間があり、並んでいる様には見えなかった。なので、その前にはあとから来た人が並んだ。
電車が来て、私たちの列はスムーズに車内に入ったが、隣は「どけよ」と声がしてその若者が先頭で入ってきた。どうやら本人は並んでいる気持ちの様だった。
明らかに関わっちゃ面倒な奴だったので、言われた方も素直に通したようで、彼の遠巻きに座った。
この電車は折り返しの始発で、一旦降車する人を待ち、ドアが閉まり、再び開いてから乗るシステム。そこは守っていた。
彼は椅子の真ん中あたりに座った。隣は開いている。なんせ彼は足を投げ出しつつ組んでいて、寄せ付けない感じだった。
その時だった。彼のポケットからコロンと何かが落ちた。
硬貨だった。おそらく100円。それは彼の足元で止まった。
しかし、彼は気が付く風でもなく、フードをかぶりながら、半寝そべり態勢でスマホを見続けていた。
やや遠くに座っていた私が気が付いたくらいだから、近くにいた人は気が付いていたはず。
しかし、誰も声をかけなかった。まったく無視していた。
まだ、出発する前だったので、余裕はあったのだが、皆完全に無視をしていた。
その後出発前に人がダーッと入ってきて彼の両隣(というかそこしか空いていなかった)にも人が座る。座った人の足元に落ちた100円がかすかに見える。
しかし、誰も言わないし拾いもしない。
電車が出た。次の駅についた。そこで彼は降りて行った。
おそらくみんな思った。
「えっ、一駅!」
座るなとは言わない。ただ、ただ、……。
その後混んできたので100円は見えなくなった。どうなったかわからない。
おそらく、何だけど、普通だったら
「落ちましたよ」
くらい声をかけられると思う。別に雰囲気も悪くない。彼以外は。
しかし、掛けなかった。私はというと、掛ける位置ではなかったが、近くでもおそらく教えなかったと思う。
おそらく教えても、舌打ちくらいしそうな彼だったから。
彼って、いままでも、こういった損を積み重ねてきたのだろうな、と思う。
そして、これからも損を積み重ねていくのだろうな、と思う。
仕方ないのかな、と思う。
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