缶の思い出

缶のお汁粉が好きで、見かけると結構買ってしまう。

昨年1月頃、会社の近くの自販機に置いてあることを発見して、時々買っていた。
しかし、一ヶ月くらいして、お汁粉のあった場所にコーンスープが置かれていた。
まだ、寒いのに、十分需要はあったはず……。
しかし、コーンスープ。

さて、今冬。その自販機に温かい飲み物が加わり始めた際、再登板を期待したが、その姿はなく……。
人気なかったのだろうね。買うの、私だけだったのかもしれない……。

そうしたところで、ふと思い出した。

もう、うん十年前の話。私が高校三年生のころの話。
受験を控えた一月末ごろ。学校が自習というか、登校自由となった。授業は無いから来たい人はそこで勉強して、遠い人は家で勉強して、受験に対応してください、という時だった。

私は毎朝学校に行く時間におきて、家で勉強しようと思った。学校が遠かったからね。
しかし、自分の部屋で勉強というのは、正直甘えが出てくる。眠たかったら寝てしまう。

そんな朝、思いついたのが、外に出る事だった。
単に外に出るだけじゃつまらないので、なんかしようと思い、それなら買い物をしようという事にした。当時からコンビニはあったが、すぐ近くにはなかったので、近くの自販機に行くことにした。歩いて1分ほど。
そのころはコーヒーがそれほど好きではなかったので、ミルクティーを買った。温かい。
それを大事に持ち帰って、机の前に座り、缶を開ける。そして、甘ったるいミルクティーを含む。そして勉強を始める。すぐ眠たくなる。ミルクティーを含む。勉強再開。眠たげ、含み、始める。そのうち冷たくなる……。勉強はかどらず……。

結局、大学はすべて落ち、浪人することになる……。

最近はあまりミルクティーを飲まないけど、たまに飲んだとき、その時の事を思い出すことがある。苦い思い出だな……。口の中は甘いのに。

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